デジタルホワイトボードは、多彩なアイデアを引き出し、様々な方面から解決策を見つけるために行われるブレインストーミングにも活用ができます。こちらの記事では、ブレインストーミングの目的や活用シーンから、進め方のポイントに加えて、ホワイトボードやデジタルホワイトボードの活用方法を解説します。
ブレインストーミングは、単にアイデア出しのために使われるのではなく、できるだけ多くのアイデアを生み出して共有し、創造的な解決策を見つけるために用いられる手法です。ビジネスの現場でも様々な場面で用いられています。
例えば、新規事業の企画や今ある課題解決方法を探る際、マーケティング戦略の立案を行いたい時など、参加者全員が自由な発想で様々な意見を出し合うことによって、革新的なアイデアを生み出す、多角的なアプローチが可能になるなど様々なメリットがあります。
ブレインストーミングには4原則があります。
ブレインストーミングのよくある失敗例として、下記のようなものが挙げられます。
例えば参加者の力関係に大きな差がある場合、決まった人しか発言できなくなることがあります。また、/span>特定の1人が長く発言し、意見が偏る・他の人の発言時間が減ることも。また、いつも同じ部署のメンバーのみで実施していると参加者の意見が偏り、マンネリ化して結局新しいアイデアが出ない状況に陥りがちです。
一般的に、ブレインストーミングを行う際にはホワイトボードや付箋などを使い、出されたアイデアを書き出しながら進めます。
しかし、「書紀役が大変」「書くことに集中して議論に参加できない」「リアルタイムでの共有が難しい」といった課題が出てきます。書きながら進めようとすると、どうしても書くことに集中してしまうため話すことが難しくなる、アイデアを出しにくくなってしまうケースがあります。
アイデアの見える化により、下記のようなメリットが得られます。
ブレインストーミングでは多種多様なアイデアが出されます。ホワイトボードを使用して出されたアイデアの可視化を行うことで上記のようなメリットを得られるため、新たな気づきなどにもつなげられます。
また、ホワイトボードへの書き込みを行いながらブレインストーミングを進めていくことによって、チームの発想を加速させる空間づくりを行えます。方法としては、ホワイトボードを囲み、ブレインストーミングに参加しているメンバーが自由に書き込みを行いつつ対話を行っていきます。
この方法によってメンバー間での一体感が生まれ、偶発的なアイデアの連鎖が生まれやすくなる点も期待でき、チームのコラボレーション促進につなげられます。
まず、制限なくアイデアを出していく「発散フェーズ」です。
最初にホワイトボードにテーマを書き、参加メンバーが自由にアイデアを書き込んでいく方法を取ります。ここで重要なのは「質より量」「自由奔放」を意識しながら、まずはどんどんアイデアを出していくこと。ただし、特定のメンバーだけがアイデアを出すのではなく、メンバー全員がアイデアを出せるように司会者が発言を促すなどの工夫が必要となります。また、タイムリミットを設けて集中してアイデア出しを行うことで、活発な意見が出やすくなります。
発散フェーズで出されたアイデアを整理し、意味のある形にまとめていくステップです。
ホワイトボード上に書かれたアイデアを移動させたり線で結んだりして、似たアイデアを分類・グルーピングします。ここで役立つのが「KJ法」です。KJ法は、断片的な意見やアイデアを効率的に整理する目的で用いられる手法で、アイデアの可視化や論理的な情報整理ができる、また少数意見を活用できるなどのメリットがあります。ただし、特定の参加者の考えだけでグループ化を行わない、また無理やりグループ化しない、などが注意点として挙げられます。
グルーピングされたアイデアを評価し、次のアクションにつなげるアイデアを選びだす「意思決定」のフェーズです。それぞれのグループに優先順位付けを行いますが、様々な方法があります。
例えばホワイトボード上で投票シールを貼っていく方法や、マトリクス図を用いて評価するなどの方法が考えられます。投票シールを用いる場合、短時間で合意形成ができる、またメンバー間で関心が高いものを抽出できるといったメリットがあります。
このステップでは、「目的達成のためにどのアイデアが最も貢献できるか」を考える点や、客観的指標で評価する点などに注意しつつ優先順位付けします。また、選ばれなかったアイデアも将来的に役立つ可能性があるため、後で見返せるように記録しておくことがおすすめです。
視認性を高めて議論をスムーズに進めるには、ホワイトボードを効果的に使用する必要があります。例えば、マーカーで色分けをする、アイデア分類の際に記号を使用する、などの工夫によって、ホワイトボード全体が見やすくなり、どのようなアイデアが出たのか把握しやすくなります。
ホワイトボードを使用してブレインストーミングを進める場合、色付きのホワイトボードマーカーを何色か使用するなどして視認性を高めることがおすすめです。
例として、アイデアのタイプ・温度感や、担当者によってマーカーの色を変えたり、分類の際に記号を使用したりすることで、パッと見たときに「何がどこにあるか」を捉えやすくなります。
そのほか、色分けや枠線、矢印などでアイデアの関係性を表現しておくと、散らばったアイデアにつながりが見えるようになり、発想に広がりが生まれる効果も期待できます。
ファシリテーターは、ブレインストーミングを円滑に進めるため、場の雰囲気づくりから始まり、時間の管理や議論の交通整理、メンバーへ発言を促すなどの役割を担います。例えば発言をしていない人に発言を促す、一人が長く発言をしている場合には他のメンバーに意見を求めるなどの形で進行していきます。また、ブレインストーミングでは「批判をしない」点が原則であるため、どのようなアイデアでも歓迎されるような雰囲気作りを行っていくことも大切です。
書記は議論を正確に記録・整理する役割を担っています。一見実現が難しそうなアイデアと思われるものも全て書き留めて記録することが大切です。
また、ファシリテーターは進行役と書記を兼ねるケースもありますが、進行しながらアイデアを正確に書いていくのは難しいため、参加人数によっては進行役と書記を分けるとよりスムーズに進められます。
ブレインストーミングの課題と失敗例として「特定の人しか発言しない」「他の人からの批判を恐れて発言できない」「アイデアのマンネリ化」といったものが挙げられます。
このような課題に対しては、例えば「発言しやすいテーマ設定を行う」「アイデアを書く時間を設ける」「テンプレートを活用する」などの方法が考えられます。また、アイデアのマンネリ化については、毎回同じメンバーでブレインストーミングを行うのではなく、異なる部署のメンバー交えるといった形をとると、これまで出てこなかった新しいアイデアが見つかる可能性が出てきます。
ブレインストーミングを行うにあたり、ホワイトボードに直接書き込む形でも進められますが、例えば付箋(ポストイット)やマグネットシートなどを併用するのもおすすめです。例えば、出されたアイデアは付箋に書き込んでホワイトボードに貼る形にすると、アイデアの移動やグルーピングを簡単に行えるようになるためまとめやすくなりますし、どのようなアイデアがあるのかをひと目で把握しやすくなるなどのメリットがあります。
ブレインストーミングやホワイトボードの活用にあたっては、一度行って終わりではなくチームに定着させる取り組みも大切です。そのためのポイントとしては、チーム内でブレインストーミングの4原則を再度確認しつつ、基本的なルール作りを行う、ブレインストーミングを定期的に開催するといったことが考えられます。また、成功体験を共有することも習慣化につながるひとつの取り組みであるといえます。
ここまでホワイトボードを使用したブレインストーミングについて解説してきましたが、より効率的にブレインストーミングを行いたいと考える場合には、デジタルホワイトボードを使用する選択肢もあります。
デジタルホワイトボードを使用する場合には、離れた拠点にいる人同士がブレインストーミングに参加できるようになるため、様々な人が参加し、多彩なアイデアを得ることにつながります。また、半永久的な記録が可能であり、検索も容易にできる点、豊富なテンプレートを活用できる点、他のツールと連携できるなどのメリットも挙げられます。
このように、デジタルホワイトボードを使用することでアナログでは難しいとされてきた様々な課題を解決できるようになります。
現在、デジタルホワイトボードとして様々なツールが提供されていますが、代表的なものとして「Miro」や「FigJam」などがあります。
Miroはデジタルホワイトボードの代表格のひとつとも言われているツールであり、IT業界でも様々な企業が導入しています。その大きな特徴は、無料で多彩なテンプレートが利用できる点や、SlackやDropboxなど数多くの外部サービスとの連携が可能な点が挙げられます。会議におけるアイデア出しからマーケティングの立案など、様々なシーンで利用ができます。
またFigJamは、Web制作やアプリ開発業界などから注目されるデザインツール「Figma」と連携できる点が大きな特徴。ブレーンストーミングで活用できるのはもちろん、Figmaファイルで作ったデザインをFigJam上に持ってくることも可能です。ブレインストーミングは、様々な企業で用いられている方法ですが、例えば「アナログのホワイトボードや付箋でのブレインストーミングに限界を感じている」「オンラインでもスムーズに共同作業したい」「記録・共有を簡単にしたい」などのニーズを持っている場合には、デジタルホワイトボードの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
それぞれのツールで無料プランが用意されているケースもありますので、まずは使い勝手を試しながら本格導入について検討することがおすすめです。
企業や組織の意思決定などの場面で用いられる、ブレインストーミングの進め方を紹介してきました。ブレインストーミングを成功させるポイントはいくつかありますが、その中ではホワイトボードを使用し、自由に書き込みができるようにしながら進めていく、といった点が挙げられます。
多くの企業でアナログのホワイトボードは使用されていますが、時にはリモート環境にいるメンバーを交えながらブレインストーミングを行いたい場面もあるはずです。このような場合には、デジタルホワイトボードが非常に有効ですし、共有や記録も容易に行えます。これまで使用したことがない、導入を考えているなどの場合には、無料のツールを利用するなどしながらチーム内で導入について検討してみてはいかがでしょうか。
一口にデジタルホワイトボードといっても、シンプルな機能でコスパの良い製品から、機能が豊富で多様なシチュエーションに対応できる製品までさまざまです。
「機能がありすぎて使いこなせなかった」「必要な機能が備わっていなかった」など、導入後に後悔しないためには、自社の用途にマッチした機能を持つ製品を選ぶよう注意しましょう。
ここでは、ビジネス向け製品を取り扱うデジタルホワイトボード(電子ホワイトボード)を調査。活用シーン別に、おすすめの製品を紹介します。自社の活用シーンを思い浮かべながらチェックしてみてください。
社内会議に特化したシンプルな機能を持つデジタルホワイトボードのうち、最も低コストで導入できる
離れた拠点間においても、スムーズな相互編集や、遅延なく高品質な映像を配信できる独自技術を備える
高品質ディスプレイ&タッチセンサーで、より臨場感ある視覚表現やストレスないタッチ体験を実現できる
▼選定基準
■おすすめの理由:Googleで「デジタルホワイトボード」として検索して調査した32社より、下記理由より選定(2024.3.20時点)
・ミライタッチBiz…調査した32社中、社内会議向けに「書く・映す・共有する」に特化しており、価格表記がある製品のうち、65型で437,800円(税込)~と最も安い※実際の販売価格は、販売店により異なる。
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・BIG PAD...調査した32社中、唯一最高輝度450cd/m2以上、およびきめ細かい位置検出が可能な静電容量方式タッチパネルを採用。